タコは自分の足を食べる?

「タコは食べるものが無くなってお腹が空くと、自分の足を食べる」
こんな話を聞いたことが無いでしょうか?

タコは自分の足を噛みちぎったり、それを飲み込んだりすることがあるのは本当のようです。

タコ

ただ、自分の足を食べるのは自分の足から栄養を摂取するためでなく、ストレスによって起こるヒステリー的な行動というのが定説なんだとか。

自分の足を食べる行動が栄養摂取を目的としたものでないという説の根拠の一つに、養吸収率の問題があります。

例えばタコが自分の足を飲み込んでも、その栄養を全て吸収できるということはありません。

どんなにしっかり消化しようとしても、その足を作るために必要になった栄養の量より、足を食べて得られる栄養素の方が小さくなるわけです。

仮にもしもタコが自分の足を食料にしているのであれば合理性に欠ける。
だから栄養摂取のためではないという考え方が成り立つということになります。

でも、個人的にはそれだけでは結論を出せないんじゃないか?と思うんですよ。

足を失ってその足が持っている栄養の量よりも少ない栄養しか得られなかったとしても、足があればその足を維持するためにも栄養は必要になるから、それも計算に入れないといけないですよね?

仮に足を食べなかった事で、その後何年間もその足が栄養を消費したなら、エネルギーロスを考慮してもさっさと食べてしまったほうがいい、という場合だってあるかもしれません。

さらに、栄養の量という意味では非合理的だったとしても、本当に緊急の場合は脳や体の重要な組織に栄養を回すために、失っても命に別状がない足を食料にするという可能性も捨てきれないでしょう。

実際に人間の体は入ってくる栄養の量が少なくなると、エネルギーを消費する筋肉を分解してその栄養素を利用する事があります。

この筋肉分解現象に関しても、化学反応である以上必ず一定のエネルギーロスが発生するはずです。
だから、タコ足食料説を否定するのであれば、こういう現象についても説明の付かないおかしな現象ということになってしまいます。

さらにさらに、満腹のタコが自分の足を食べるという現象が確認できたとしても、それは満腹中枢が麻痺した一部のタコだけ、という可能性もあります。

というわけで、タコが自分のを食べる事が栄養摂取と無関係と断定する事は難しいと思うのです。

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