動物性タンパクも種類によって・・・

一般的に動物性タンパク質は植物性タンパク質と比較してアミノ酸スコアが高いものが多いと言われています。

しかし、動物性タンパク質の栄養価が必ずしも植物性タンパク質よりも優れているとは限らないということを是非知っておいて下さい。

動物・植物という分け方

生物は大きく分けると動物と植物の2種類に分けられますが、動物と言っても動物性プランクトンのような原始的な生き物から牛やゾウのような高等生物まで、植物といっても藻のようなものから果実のなる樹木や食虫植物のような複雑な植物までその種類は様々です。

生物の種が違えば当然栄養価も変わってくるので、単に動物性タンパク質だから、あるいは植物性タンパク質だからという理由だけでは栄養として優れているかどうか判断できないのが本当のところです。

生物の種類は多種多様なので、動物・植物という分類だけで栄養価を判断するのは困難です

論より証拠ということで、次に色々な食品のアミノ酸スコアを列挙してみましょう。

食品名
アミノ酸スコア
牛肉(脂身なし)100
鶏むね肉(脂身なし)100
シジミ95
おから91
しばえび87
毛ガニ77
しいたけ73
イカ71
タコ71
サザエ71
ホタテ71
アワビ68
ナマコ50
ゼラチン0

どうでしょうか?
植物性タンパク質を緑色の背景、動物性タンパク質をオレンジの背景のセルで表しています。

アミノ酸スコアが高い食品に動物性のタンパク質が多いことや、牛肉や鶏肉がアミノ酸スコア100というのは予想通りといったところでしょうか。

ここではアミノ酸スコアのみを評価しているので各食品のタンパク質量は評価していませんが、意外なところに意外な食品が入っていると感じた方も多いのではないかと思います。

例えば例に挙げた中では最下位となっているナマコは、生物の分類で言えば完全に動物性タンパク質。

まあ、ナマコというのは食べる機会の少ない食材かもしれませんが、イカやタコ、ホタテやアワビのような一部のシーフード系の動物性タンパクのアミノ酸スコアがしいたけよりも低い数値になっています。

ただ、貝類が軒並みダメというわけではなくカニやエビは比較的高め。それでも植物性タンパク質である大豆を原料としたおからの方が上高いアミノ酸スコアを持っています。

また、ゼラチンのような加工食品は動物性タンパク質を原料としていても必須アミノ酸の一部を含んでいないため、アミノ酸スコアはゼロという残念な結果になっています。

栄養価知るには食品に関する知識が必要

このように、食品は外見や生物学上の分類だけで栄養価を判断するのは難しいというのが本当のところです。

アミノ酸スコアを考慮して必要なタンパク質量を計算する場合は、よく食べる食品のアミノ酸スコアを知っておく必要がありそうです。

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