人体ゼラチンは安全な栄養源?

姉妹サイト『肉体改造研究所(筋トレ&ダイエット)』のレポートでもおなじみの外部研究員KEN☆KUNさんから、新らしい報告をもらいました。

今回は、人間のタンパク質を人工的に合成する方法についてです。
ちょっとマニアックな話になりますが、よりタンパク質に対する理解を深めるためにも、ぜひ読んでみてください。

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ニュースサイトで気になる記事を見つけました。
食べられます?人間ゼラチン

ゼラチンの原材料の家畜がアレルギー(精神的なものも含む)の原因物質になっているから人体に対してもっとも安全な人間由来のゼラチンを作ろうって考えらしいです。

ゼラチン

この記事を読むと「人間のゼラチン遺伝子をイースト菌株に注入」とありますが、ヒトゲノム解析でゼラチンを作り出す部分は完全に特定されているんですね。って、ホントかよ?

遺伝子の組み合わせがほぼアミノ酸の組み合わせなんだと理解していますが、高純度にゼラチンだけを作り出すのなら動物の種にかかわらずゼラチンはゼラチンなんじゃないか?

もっと言うとそれはヒト由来のゼラチンに思わせておいてイースト菌由来なんじゃないか?と自分は研究に懐疑的です。

SF漫画でアミノ酸バランスが最適だから人間に近い亜人類を食用に飼育しているって設定がありました。

現実世界では人間は可食部分の少なさから食用に適していないのですが、医療用には遺伝子的に人間の臓器を持った羊 は本気で研究しているようです。

この記事は随分古そうなので最新版ではどこまで人間の遺伝子を持っているのか。はたまた全くのデマだったのか。

さて、テーマとしては「人間の筋肉由来のプロテイン」の話をしなくれはいけないとは思うのですが、そもそも吸収の過程で数十種類のアミノ酸に分解されてしまうはずなので原材料が何であれ結局同じなんじゃないかって結論でよろしいでしょうか。

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一応、遺伝子工学を専門に勉強してきた立場として、簡単に解説をしておきましょう。

人間は遺伝子の情報から体のタンパク質を合成しています。

だから、その遺伝子をイースト菌に組み込んでやれば、イースト菌が作ったとしても人体と同じ成分のタンパク質ができる・・・ということです。
この場合は「ゼラチン」というタンパク質ですね。

で、同じゼラチンと呼ばれるタンパク質でも、実は生物の種類によって微妙に成分が違うんです。
牛の場合は「牛ゼラチン」、人の場合は「人ゼラチン」という具合に。

ただ、同じ人間の遺伝子から合成されたタンパク質でも、血液や臓器のように複雑な構造を持つものは、個人個人で微妙に性質が違ってきます。

だから輸血や臓器移植は、同じ人間同士であっても拒否反応が出てしまったりするわけです。

さて、今回のテーマである「ゼラチン」ですが、わざわざ人間のゼラチンを人工的に合成することの一番の目的は、「安全性の向上」ということのようです。

体の中でアミノ酸に分解されることを考えると、KEN☆KUNさんがおっしゃるように、特別な栄養価があるとは考えられないでしょう。

つまり、栄養源としての価値は、「安全な牛ゼラチン」と、そんなに大きく変わらないと予想できます。

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