グルテンフリーは体にいいの?

最近、ダイエッターや一部の健康志向の人達の間でで「グルテンフリー」という言葉がよく使われるようになりました。

「グルテンフリーの食事のほうが体にいい。」
「グルテンフリーの食べ物の方が痩せる。」
そんなイメージを持っている人も多いでしょう。

ちなみにグルテンというのは、麦などに含まれるタンパク質のことです。

小麦粉

栄養の話、特にタンパク質となればプロテインマニアとして分析せずにはいられないというわけで、グルテンフリー食とダイエットの関係について書いてみたいと思います。

グルテンフリーが話題になっている理由

事の始まりはハリウッドセレブ達が「グルテンフリーダイエットで痩せた」という話だったようです。

レディー・ガガ

レディー・ガガやマイリー・サイラス、ジュリア・ロバーツなど、多くの有名人が「グルテンフリーダイエットで痩せた」事が話題になり、グルテンフリーダイエットに興味を持つ人が激増しました。

何か新しいダイエット法が出ると、
「今度こそ痩せられるかも?」
と期待する人がそれに群がったり、それを利用してお金を稼ごうとする人が出てくるのは、今までにも繰り返されているお決まりのパターンですよね(笑)。

言われていることは間違いだらけ

しかし、色々なwebサイトに書かれているグルテンフリーダイエットに関する知識は、残念ながら間違いだらけなのが現状です。

代表的なものをいくつか見てみましょう。

誤解1:グルテン過敏性腸症を誘発する

グルテンに対する過敏症(一種のアレルギー)の人がグルテンを含む食品を摂ると、当然体調が悪くなります。

しかしそれは多くの場合「もともとそういう体質の人が食べるとよくない」という話です。

「パンなどを食べることでセリアック病などの健康被害が出る」と書いているサイトもありますが、セリアック病の主な原因は遺伝です。

感染症やストレスなどが原因で過敏症の症状が出ることもあるようですが、グルテンを含む食品を食べる事が引き金になるという根拠は示されていません。

誤解2:グルテンを食べないようにするだけでキレイに痩せられる

グルテンを避けることで、よりダイエット効果が上がるという科学的根拠はありません。

多くの専門家は、「グルテンを避けるためには、必然的にパンやパスタなどを減らすことになるので、低炭水化物ダイエットをしていることになるだけ」だと分析しています。

誤解3:グルテンは体に溶けないので体に残って血糖値を上げてしまう

そもそも加熱されたタンパク質は水に溶けないのが当たり前です。

それでも消化酵素などによってきちんと分解されるので「水に溶けるかどうか」は痩せるかどうかということと何の関係もありません。

また、血糖値を上げるのは糖質なので、これも矛盾しています。

最近は栄養学の基礎すら知らない人が内職としてweb記事を書いていることも多いので、十分に注意してください。

誤解4:グルテンに含まれるグリアジンが麻薬のように脳に作用して食欲を促進させる

専門家の意見では、中毒性があるのはグリアジンよりも、砂糖や油がたくさん使われている食事のほうです。

「小麦の禁断症状」を発症する人が問題になっているような事実があるのならともかく、「麻薬のように」とか「人をハイにする」なんていう表現をするのは、大げさにもほどがあると思います。

グルテンフリーは非常に不便

もしもグルテンフリーを本気でやろうと思ったら、パンやパスタ、シリアルをはじめ、ほぼすべての加工食品なども食べられなくなります。

不便な「グルテンフリー」のルール

「和食にすれば大丈夫」という人もいますが、そばなどもほとんどの場合小麦を含んでいますし、天ぷらなどの揚げ物もNGです。

そういう事情を考えると、グルテンフリーダイエットは効果の割に労力がかかりすぎるダイエット法になると思います。

健康に問題がある人は試してみる価値あり

ただし、小麦粉に対して過敏症を持っている人でも、自分自身でそれに気づいていないというケースはあるようです。

慢性的にお腹の調子が悪くなる、疲労がなかなか抜けないなど、健康に関する悩みがある人は、期間限定でグルテンフリー食を試してみる価値はあるかもしれません。

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